自律神経を乱した往診患者の話

自律神経専門の鍼灸サロンNOTO

本日は、80代の方の自宅へ往診をする日でした。
4年前に脚立から落ちて、腰椎圧迫骨折をされた方です。

それまでは、身体の痛みは感じた事が殆ど無く、ハイキングや買い物など好きな所へ行っていましたが、怪我をしてからは自宅で過ごすことが殆どです。

外出するにしても20メートルも歩けば座りたくなる程、腰が痛くなるそうです。

その方は、腰椎の圧迫骨折をしてから自律神経が乱れやすく、不安傾向が強くなりました。
人の言葉が気になったり、人と比べてしまったり、高額なサプリや手術に手を出したりと…
私の役目は、治療だけでなくその不安な部分のお話を聞いて不安を少しでも取り除くことです。
『お一人で考えず、私に必ず話をしてからどうするか決めましょう』と話をします。

自律神経が激しく乱れる時は、何かと人のせいにしてしまう傾向もありました。
痛みの原因が私の治療のせいではないかという事で、何度か往診を断られた事もあります。

しかし、私は、見捨てる事はできませんし、事情も分かっています。そういう時こそ敢えて突っ込んで行きました😂

そして、その方との関係が大きく変わったのは、ある出来事を境としてでした。

それは、その方がリハビリのために散歩をしている公園をたまたま通りがかった時、『おはようございます😁ここでいつもしてるんですか』と声をかけた事でした。

その日を境に明らかに私に対する表情や態度が変わったのを感じました。往診を始めてから1年と半年が過ぎる頃でした。

今では、何でも相談や話を私にします。
私が時間に遅れた時も電話がわざわざかかって来ます。『待ってるんやー』と。

いつも身体の治療をしていて思うんです。身体のツボというのは、勉強すれば分かります。しかし、心のツボというのは、人それぞれ違うので勉強の仕様がありません。

そのツボは、生きていていつも見えるものではなく時間やタイミングが大事なんだと。

私に限らず、友人や家族にも、これと同じ事が言えます。タイミングを間違えれば、良いものも悪く伝わる事があります。
しかし、タイミングを間違えなければそれは、信頼として相手には伝わります。

心のツボを意識すると、相手との関係もまたガラッと変わる時が来るかもしれません。

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