▼不眠症の鍼灸治療Q&A
不眠症とは?
不眠症とは、睡眠に何らかの問題があり日中の活動に支障を来す恐れのある状態を指します。また、不眠症の定義を日本では下記の3つに分類しています。
①入眠障害・・・眠ろうとしてもなかなか眠れない状態
②途中覚醒・・・寝ている途中で起きてしまう
③早朝覚醒・・・朝早くに起きてしまう
上記の状態のうちどれかが、週に2回以上1か月続く状態を不眠症と定義づけています。
不眠症の原因
不眠症の原因は多岐にわたります。生活習慣、ストレスによる自律神経の乱れ、薬の副作用などがあげられますが。ここでは、そのうちのいくつかを挙げていきます。
①精神的ストレスによる自律神経の乱れ
②肉体的疲労による身体の緊張
③身体の冷え
④生活習慣の乱れ
①精神的ストレスによる自律神経の乱れ
会社や家庭、人間関係による精神的なストレスが原因で交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、自律神経が乱れやすくなります。結果的に朝と夜のリズムが崩れて夜は眠りにくくなります。
②肉体的疲労による身体の緊張
身体の疲労は、筋肉を硬くして姿勢を崩す原因にもなります。身体は歪、,それによって更に筋肉の緊張が生まれます。特に不眠症で悩む方の背中や首、後頭部にかけてはコリや緊張が見られます。
③身体の冷え
身体は、手足が温まる事で寝る体勢に入ります。しかし、足や手が冷えていると眠る準備ができていないため、眠りにくくなります。
④生活習慣の乱れ
ベッドでスマホを長時間操作したり、夕飯後に夕寝をしたりと生活習慣が原因の不眠症は、若い方に比較的多い傾向です。
医療機関の不眠症治療
薬物療法
・GABA受容体作動薬
・メラトニン受容体作動薬
・オレキシン受容体拮抗薬
上記のお薬が主に使われているようです。お薬の服用で心配となるのがお薬の副作用ですが、最近のお薬は興奮を鎮めたり、不安が起こらないようにと自然に近い形で眠りにつけるようにするものが多いと言われまたいます。
睡眠モニタリング
睡眠中に何が起きているのかをビデオ撮影等をしして不眠になりうる可能性のある原因を突き止め、対処して行く方法です。非薬物療法にあたります。
高照度光療法
強い光を浴びる事で、体内リズムを強制的に戻す方法です。こちらも非薬物療法です。
NOTOの不眠症に対する鍼灸治療
問診
先ずは、いつから不眠症の症状が出始めたのかを確認させていただきます。
その上で①入眠障害型、②途中覚醒型、③早朝覚醒型、④その他(悪夢を見るや、眠れるがスッキリしないなど)を判断していきます。
また症状の出方やどのような時に起こりやすいか、現在飲まれているお薬やサプリメント、漢方薬等の確認をさせて頂きます。お薬を減らしたい方はこの時にお話しください。
最後に現在感じている身体の痛みや緊張、内臓や精神疾患、不眠症の原因となりやすい足先の冷えの有無などをお聞きします。手術や入院等の既往歴も問診表にご記載ください。
カウンセリング
不眠症になる方の大半の方が、外的要因が起因しております。仕事、生活環境、人間関係、家族の事など、お話できる範囲でお聞きし、それに沿った精神緩和ケアを施していきます。また、不眠症になった原因が分からないとおっしゃる方もおられますが、カウンセリングをする中でその原因を少しずつ見つけていきます。
検査
姿勢や筋肉、神経、関節の指一本一本に至るまで徒手検査による動きや緊張、歪みを西洋医学の面から検査します。
また、脈診(脈の打ち方で症状の原因を探る方法)や腹診(お腹の部位による硬さや冷えをみる方法)、ツボの反応点(硬さや凹み手触り等で探る方法)といった東洋医学的な検査を行います。
東洋医学では、気が頭に上ることで肩から上に熱が上がり症状が現れやすく、手や足先に冷えが停滞することで不眠症が起きやすくなると考えます。
治療
問診、カウンセリング、検査等で得た情報から西洋医学における原因となる部位と、東洋医学における原因となるツボへ鍼やお灸、マッサージ等を組み合わせて行います。鍼は刺した状態で5分程置く置鍼法や、刺した後にすぐ抜く単刺法を部位によって使い分けて行います。また、治療中にもカウンセリングをさせて頂きます。
後頭部から背中へのアプローチ
不眠症を患う方の多くが、後頭部から背中にかけて異常な緊張が見られることが多いです。緊張や痛みの自覚がない方も同じように見られます。背骨が自律神経に近い事から緊張が起きやすいと考えています。ですので、背骨のラインを中心に鍼やお灸、ホットストーンで施術させて頂きます。
また、筋肉の緊張と聞くと姿勢の歪みや使い過ぎる事が原因と考える方が多いと思います。ですが、胃腸の疲労から肩や背中の緊張が見られることも少なくありません(内臓-体性反射による生理現象)。そこでNOTOでは、胃腸の疲れを緩和するために足のツボを多用します。
首へのアプローチ
また首の後ろには、不眠症の方が緊張しやすいツボが存在します。それが上記のツボ、天柱、風池、完骨です。このツボは、目の疲れにも使われるツボです。ここの筋肉を緩めることで眠りやすくなります。具体的には、鍼をこのツボの筋肉に刺します。深くても1㎝程で、筋肉がほぐれる時に感じる少し重たい感覚があります。心地よいと感じる方もいれば少し苦手と感じる方もおります。NOTOでは、無理に痛い施術は致しません。ですので、もし鍼の感覚が苦手とおっしゃる場合は鍼以外の方法での施術も可能です。
冷えに対するお灸治療
身体の冷えは、眠りにも影響を及ぼします。特に寝付きにくさが現れます。NOTOではお灸を足や身体のツボへ据えることで冷え性の症状を緩和させています。写真のようにお灸用のシールを貼り米粒ほどの大きさのもぐさへ火を点火します。ですので火傷をする恐れもありません。
アフターカウンセリング
治療後の身体の変化を確認します。また、問診から治療において気づいた点をお話し、それに沿った自宅でできるセルフケアをお伝えします。また、継続を希望する場合は、その場でご予約をお取りさせていただきます。一度様子を見たい場合は、次回連絡をして頂いて結構です。
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