休職を繰り返す理由と、完全復帰ができるようになる自律神経ケア

自律神経の鍼灸治療の様子
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休職を繰り返す

 当院では、職場の業務量の過多、人間関係などから自律神経を乱し休職を余儀なくされている方が多くご来院します。そしてその方々の半数が何度も休職を繰り返す方々です。それでは、どうして休職をしているにも関わらず職場へ復帰後もまた休職に追い込まれるのでしょうか。これには、理由が存在します。当院へ来られる方の特徴や休職をする傾向の方等のお話を踏まえお話しします。

休んでも治らない自律神経の乱れ(精神疲労)

 ヒトはもともと身体を回復するための機能を持ちます。それを恒常性機能(ホメオスタシス)と呼びます。
 ケガで例えます。傷を負うと傷口には血漿、白血球、血小板などの細胞を集めて傷口を修復しようとします。この機能は、傷だけでなく体温調節や精神安定、ホルモンバランスにも使われています。
 身体の疲れや傷は身体を休めることで回復します。原因が傷や筋肉の緊張だからです。しかし、精神的な疲労は休むことで回復することは少ないんです。その理由は、原因が目に見えるものではないからです。自律神経の乱れの大半が日常における精神的なストレスです。そのストレスに対してどのように対処するか、そして自分に合っているかが重要です。

受動的な回復と、能動的な回復

 休み方には、受動的な回復と、能動的な回復があります。受動的な回復とはできるだけ動かずに回復を図る事です。そして能動的な回復とは動いて回復を図ることです。どのような休み方をとるかが重要です。

受動的な回復

自宅で休んだり、睡眠時間をしっかり確保する、治療を受けるなどがこれにあたります。

能動的な回復

運動で汗を流す、自宅から出る、ストレッチ、ヨガなどがこれにあたります。

自分に合った休み方

 生活スタイルや、仕事の内容によって身体の休め方は変わります。その方法を間違うことで休職後に完全復帰できるのかが決まってきます。

パソコン作業が多い方

 仕事の形態そして相談が多いのはパソコンを長時間される方です。その方に合ったセルフケアは、外に出て身体を動かすことや自然浴することです。身体を使わずに脳を働かせている方は、脳に熱がこもりやすい傾向です。コンピューターと同じで脳もまた情報を処理することで熱を発します。この熱を取り除くためには身体を動かして汗をかくことが一番簡単で有効な方法です。身体を動かすときは脳が働かないようにもなっています。また、自然浴もまた有効な方法です。これは五感と関係します。五感と脳は対比関係です。そのため五感を使うことで脳が休みます。

人間関係の悩み

 人間関係の悩みには、相手を気遣うことで精神的に疲れることも含まれます。『気を遣わなくてもいいよ』と周りから言われる方は自覚があるないにしろ無意識に周りに気を遣っている方です。職場に苦手な人がいる、仲間外れにされるなどの問題を抱える方は常に頭の中でそのことばかりを考えています。そんな方は職場に行くだけで何もしていないのに疲れや倦怠感ほかの症状を発症します。そんな方におススメな休み方は、自然浴をする、ジャーナリング、外へ行くです。

 自然浴は先ほどお伝えした通りです。五感を使うことで脳を休ませリラックスできます。ジャーナリングとは今の気持ちをノートに書く事です。とてもシンプルな方法ですが、有効です。今頭に浮かんだことを全て吐き出すんです。頭で考えようとするのでまとまらず何度も考え一日中それに固執してしまいます。そして最後の外へ出るですが、悩んで辛いときほど自宅で過ごすと悪化します。これを知らずに自宅に休んでいるため症状が回復しない患者さんはたくさん診てきました。外へ出ていい意味で気を自分から外にそらすことで悩みが深くなりません。また、考える時は外のくつろげる空間へ行くともっと良いです。

業務量が多い方

 一日のタスクが多く辛い思いをされている方は、シンプルに休むことをお勧めしています。特に睡眠時間の確保です。しかし、身体の緊張が強く睡眠の質が低下している方も少なくありません。運動をする前に準備体操が必要なように、睡眠の前もまた準備が必要です。電気の明るさ食事の時間、飲料水の量、ストレッチ、頭の整理、方法はたくさんあります。

身体の緊張が自律神経を乱している

 精神的なストレスを回復させるには、休むだけでは治らないとお伝えしました。しかし身体もまた、その次に重要です。理由は今まで見てきた自律神経の方の身体には健康な人にはない独特の緊張やコリが存在するからです。当院では、鍼灸治療やマッサージを駆使してこの身体の疲れを改善することをしています。

自分の身体は分からないもの

 身体の緊張は寝たり使わなければ改善すると考える方は多いと思います。しかし、そうとは限りません。当院へ来られる方の身体は過緊張状態に陥っていることが多いからです。本人には、自覚がない事が多く触られることで初めて硬い事や痛い事に気づきます。主観で感じている自身の身体と客観的に見る自身の身体には大きな差があります。
 こんなこともありました。新規の予約の電話越しで『身体には症状がないんですが鬱で困っています。それでも治療はできますか。』実際に見させて頂くと首から背中、腰、手足に至るまで筋肉が硬くなっていました。

精神的疲れによる筋肉の緊張

 身体の緊張はすべて動かしたからと言って硬くなるものではありません。自律神経の交感神経(興奮する神経)が高まることで筋肉は緊張を起こします。これを読んでいる方の中には、ヒトと話をしたり会議などの緊張の場で後頭部や首肩背中等が締め付けられるような緊張を感じる方はおられるかもしっれません。精神的な緊張は特に上半身の緊張を引き起こしやすいのも特徴です。

胃の疲れによる筋肉の緊張

 身体の緊張の原因はまだあります。それは胃腸の疲れです。心筋梗塞は左肩。胆のうは右肩、十二指腸は左背中が緊張します。これは医師も病気の判断基準として用います。内臓-体制反射と言いますが、これが原因で肩や背中、腓腹筋(ふくらはぎ)に緊張を起こしている方も少なくありません。当院では、足のツボを使うことで胃腸の疲れを取り除く治療を行っています。

 また身体の症状は、治療やストレスケアなどのきっかけを与えなければ、長年引きずることがあります。以前、看護師をされていた方が来院しました。その方は5年前にめまいや頭痛がひどく看護師を辞め専業主婦をしていました。しかし、5年たってもその症状は改善することがありませんでした。しかし当院で治療3回で症状は取り除かれ再発することはありませんでした。また、30年前にめまいを患い症状がとり切れない方も来院したことがあります。その方も約4か月の治療で30年悩んでいた症状が完治しました。

当院での治療

 NOTOでは、鍼を使い自律神経のツボに対してアプローチをし治るきっかけを与えます。また、治療だけでは再発の可能性が高いため、ご自身に合ったセルフケアを患者さんによってお伝えし、取り組んで頂いています。

仕事を変えた方がよい方

 ここまで、お伝えしてきましたがそれでもやはり休職をしてしまう方がいます。その方々のほぼ9.9割が職場や生活などの身の回りの環境によるストレスです。

 ある方は、職場の誰もが避けている上司に歯向かってまで勝ち取った役職でしたがそれに就いた途端、症状を発症しました。休職しても治らずしかし、辞めたくはないという思いでご来院しました。しかし、治療とカウンセリングを続けるうちに今の状況に嫌気がさし思い切って転職することになりました。転職後、症状も殆ど出ることもなくなりました。ある事にこだわったり、プライドが邪魔をすることがあります。しかし、今の自分自身を大事にできるのは自分です。また、他の場所にはもっと自分を必要としてくれる方はたくさんいますし、大事に思ってくれる方はたくさんいます。自分を大事にしてくれない相手にエネルギー(その人の事を考えたり、気を遣う)を使うのであれば自分を大事にしてくれる人に時間と労力を注ぐことをお勧めします。

最後に

 いかがでしたか、この記事が少しでもお役に立てばとても嬉しいです。

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