▼心因性の発熱と対処法
頭を使うと熱が産生される
脳は、コンピュータと同じものと考えて下さい。コンピュータには、熱を逃すためのファンが必ずついています。情報を処理する事でコンピュータ内に熱が産生されます。脳もまた同じく、頭の中で情報の処理や内臓、ホルモンバランス、運動、感覚などのあらゆる神経をコントロールするために熱を生みます。そしてその熱は汗、血管の拡張、尿などによって調節されます。
体温は自律神経支配
体温の調節は、脳の視床下部によって自律神経を介して調節されます。暑いとき、体温は上昇しそれを察知した視床下部が体温を下げるために働きます。また寒いときっはその逆の事が起こります。こうして人の身体は体温の調節を自律神経を介して行っています。
熱が逃げなくなると…
しかし、もしその熱が逃げない場合、どうなるでしょう。一番身近な例でいうと熱中症があげられます。急激な体温上昇は自律神経ではコントロールできずオーバーヒートを起こします。これからの季節は注意が必要ですね。熱中症に限らず、脳に熱が長期にわたり蓄積され続ける事で、身体にあらゆる不定愁訴(病院の検査では異常が見つからない)を引き起こします。
心因性発熱
ストレスによって発熱が長期にわたり起こる事はご存じでしょうか。通常、発熱はウイルスや菌によって身体を守ろうとするために結果的に起こる生理現象です。しかし、長期のストレスや疲れが重なると熱が産生され37°ほどの微熱が1ヶ月から半年程度引き起こされます。小さなお子さまがおられる方は経験があると思いますが、保育園や幼稚園に行くと熱を出し、自宅に戻ると落ち着くのもその一つと思われます。
眼精疲労、睡眠障害、耳鳴り、頭痛、めまい、倦怠感、神経痛、躁鬱等…
上記のような様々な症状をも引き起こします。また、この熱は継続しているストレスによって自律神経が乱されているため、なかなか熱が引かないのが特徴です。
患者さんの例
当院に来られる患者さんもまた、自律神経の乱れから頭に熱が籠り症状に悩まされる方が少なくありません。そのような方の頭はブヨブヨとしていて締まりが無く、鍼を刺すと出血を伴う事が多いです。また、上半身に力が入りやすく、下半身の緊張は極端にないため上半身と下半身のバランスの悪さが身体の調子を崩してしまう原因にもなります。
心因性発熱の治療
主に上半身の緊張を取り除き、逆に下半身のツボに刺激を与えて緊張を与える治療を行います。上半身へは硬い緊張を主に鍼やマッサージを行い、下半身には足の内側にお灸や鍼の刺激を軽く与えることで緊張を取り戻します。また、NOTOでは発熱しているストレスを話せる範囲で話して頂くことで心理緩和ケアにも努めています。
心因性発熱のセルフケア
NOTOではそういった方へ、アイス枕による頭のクールダウンをお勧めしています。特に寝る前は、仕事から自宅に帰ったにも関わらず仕事脳がOFFになっていなかったり、考え事や不安を想う事で脳には熱が溜まりやすくなります。
【方法】
氷枕で後頭部を10分〜15分冷やしてから眠るだけです。目が疲れている方は、その後に目に置いても良いです。
【注意】
そのまま寝ると冷える可能性があります。
冷やす と 冷える は、別ですのでご注意下さい。
仕事や人間関係等で精神を擦り減らす方の殆どが後頭部に何らかの反応があります。鍼を刺す事で殆どが取り除けますが、自宅ではこの方法が良いです。また後頭部のすぐ下には眼球を動かすための筋肉があり、眼精疲労にも効果があります。
この状態は、当院がよくお伝えしている『頭寒足熱』とも通じるところがあります。
是非、お試しください。
※冷えに過敏な方はお控え下さい。
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